2016.12.13 Tuesday
RAPTURE
露知らず待ち焦がれた冬
憧れた黄昏を踏む黒い靴
霜柱に幼い星が凛と降る
淡く華奢な時の芯を摘む
お早う舞い散る吐息の葉
お休み詠み解く宵美の矢
明から様な朝焼けは尊く
道徳は恍惚と豊かな姿へ
【 RAPTURE 】恍惚
2016.12.13 Tuesday
露知らず待ち焦がれた冬
憧れた黄昏を踏む黒い靴
霜柱に幼い星が凛と降る
淡く華奢な時の芯を摘む
お早う舞い散る吐息の葉
お休み詠み解く宵美の矢
明から様な朝焼けは尊く
道徳は恍惚と豊かな姿へ
【 RAPTURE 】恍惚
2016.11.16 Wednesday
血液を送り出せと囁く
風天に紅き落葉は瞬く
夕焼けの熱が織り成す
明日の影で蜻蛉は儚く
伝う温度に音頭を灯す
水面の稲穂は月と歌う
血液を送り出せる器官
有限の時間で羽ばたく
2016.11.03 Thursday
風に猫背を押され進む
晴れた髪に惹かれ映す
美しく研磨された明鏡
光で描く朗らかな影響
滅法強い月歩の噛み跡
牙と爪と羽根で護る里
温かな皿の上で咲く日
踊り続ける器に炊く火
黄身が煌めく空の意味
恵み巡り色と彩る日々
風に猫背を押され進む
懸けた旅に魅かれ紡ぐ
【 CALIBER 】径
2016.10.20 Thursday
ぽかぽか光にプチ眩暈
縁取る痛みを和らげる
柔らか清らか秋の可燃
あらゆる破片は灰塵へ
煌めく狼煙が空に咲き
記憶と意欲は昇華され
浄化の雨より糧と癒え
冷え行く凍土を温める
【 MULL 】温
2016.10.01 Saturday
春の罪人が積む墓標
故郷に咲いた胡蝶蘭
夏の旅人が摘む一輪
花弁は長い影を残す
秋の戀人は月と踊る
安寧を紡ぎ羽で灯す
冬の宵人は風の光へ
運命線と叶う夜明け
2016.09.16 Friday
殺風景に訪れる空虚
ぽかりと空いた風穴
能天気な愛を詰めて
爪痕に沁みた涙の花
叶え給う花苗は酔狂
紅く萌え凛と消える
癒える虹より翔ぶ蝶
飄の塊が黄昏を穿つ
殺風景に降り注ぐ星
能天気な時と流れて
消える虹より癒えた
蝶の魂で憧れを歌う
きらりと咲いた夢穴
眩い風が吹き抜ける
幾旅も生まれ変わる
あなたとかなたまで
2016.09.07 Wednesday
残暑に煌めく山椒魚
未来の匂いの発光体
ユダヤの森を游ぐ影
泥濘に溺れるなかれ
豊かな自然に降る雨
資源なら既に素手に
爪痕で鳴く蟋蟀の羽
夢跡は夜明け前の風
【 fairway 】澪・運河・水路
2016.08.31 Wednesday
真実を覗き込める穴
くるくる回す万華鏡
キラキラ弾かれる花
韻律の望みに似た峠
山彦が響き渡る草原
鳳蓮草の蔦と唄う貝
水飛沫は虹と揺蕩う
倍率を上げる熱中症
黒い紙から昇る狼煙
ふわふわ届く入道雲
有耶無耶にしない華
韻律の希みを映す瞳
夕立に濡れて相合傘
大海から流れ着く命
蜃氣楼は色を覚えて
宵光と微笑み懐く灰
2016.08.22 Monday
人は夢診て儚さを知る
人は憂いて優しく鳴る
人を愛して真心に触れ
人を戀して言葉と踊る
糸が絡みて各自を感じ
描く字を手紙に認める
刃の羽咲に祈りを込め
突き刺し貫く人の讃歌
【 PAEAN 】讃歌
2016.08.07 Sunday
夏の虫が風と歌う朝
放射能はまだ漏れる
月に背く愚かな戯言
皆それぞれ既に護る
太陽は食わず嫌いで
来光が海に落雷する
どうか忘却しないで
夏の鳥が雨と伝う傘